櫛をプレゼントしたいと思ったとき、
「人に櫛をあげるのはよくないの?」
「縁起が悪い意味があるの?」
と気になることがあります。
結論からいうと、櫛はプレゼントしてはいけないものと決まっているわけではありません。
「くし」という音が「苦」「死」を連想させることから、縁起がよくない贈り物とされることがあります。
ただし、こうした意味を気にしない相手であれば、友達や家族へのプレゼントとして選ぶこともできます。
大切なのは、櫛にはどのような意味があるのかを知ったうえで、相手や贈る場面に合うかを考えることです。
この記事では、櫛をプレゼントする意味や、よくないと言われる理由、どんな相手なら贈りやすいのか、避けたほうが無難な場面まで紹介します。
この記事でわかること
- 櫛をプレゼントする意味と、よくないと言われる理由
- 友達やパートナー、子どもに櫛をプレゼントしてもよいのか
- 櫛のプレゼントを避けたほうが無難な場面
- 平安時代の「別れの御櫛」や江戸時代の髪飾り文化
櫛をプレゼントする意味は?よくないと言われる理由

櫛は毎日の身だしなみに使う身近な道具ですが、プレゼントとなると「どんな意味があるの?」「贈っても大丈夫?」と気になることがあります。
「苦」「死」を連想させる語呂合わせがある一方で、髪を整える道具であることから前向きな意味になぞらえて楽しむ見方もあります。
ここでは、櫛をプレゼントする基本的な意味と、よくないと言われる理由、贈るときに知っておきたい背景を見ていきます。
櫛をプレゼントする基本的な意味

櫛のプレゼントには、相手の身だしなみや毎日のヘアケアを気づかう気持ちを込めることができます。
髪を整えるために日常的に使うものなので、友達や家族、パートナーへ贈る実用的なプレゼントとしても選びやすいアイテムです。
少し上質な櫛なら、自分ではなかなか選ばない日用品として、プレゼントらしい特別感も出しやすいでしょう。
また、絡まった髪を梳かして整えることから、人間関係や物事を「整える」「解きほぐす」といった前向きな意味を重ねて楽しむこともできます。
縁起や意味を楽しむなら、髪だけでなく気持ちまで整えるようなアイテムとして、櫛を選んでみるのもよいでしょう。
櫛のプレゼントがよくないと言われる理由

櫛のプレゼントがよくないと言われる大きな理由は、「くし」という音が「苦」「死」を連想させるためです。
日本では、贈り物を選ぶときに語呂や縁起を気にすることがあり、櫛もその一つとして避けられる場合があります。
ただし、これは櫛そのものに悪い意味があるということではありません。
こうした語呂合わせを気にするかどうかは人によって異なるため、相手との関係や贈る場面も考えながら選ぶとよいでしょう。
友達に櫛をプレゼントしても大丈夫?

友達に櫛をプレゼントすること自体は、必ずしも問題ありません。
相手が「苦」「死」といった語呂合わせを気にしないのであれば、誕生日などのプレゼントとして選ぶこともできます。
特に、普段からヘアケアに興味がある友達や、欲しい櫛があると分かっている相手なら、実用的な贈り物として選びやすいでしょう。
友達に贈るなら、普段の服装や持ち物になじむ色・デザインを選ぶと、日常でも使ってもらいやすくなります。
髪を梳かす時間を心地よく過ごしてほしいという気持ちを添えれば、友達へのちょっと特別なプレゼントにもなります。
櫛のプレゼントを避けたほうが無難な場面
結婚祝いなど、縁起を大切にしたいお祝いでは、相手の考えがわからない場合は櫛を避けるほうが無難です。
また、病気やけがで療養中の方へのお見舞いでは、「苦」「死」を連想させる可能性があるため、ほかの品物を選ぶほうが無難です。
昔ながらの贈答マナーや縁起を大切にしている方へ贈る場合にも、相手がどう受け取るかを考えて慎重に選ぶとよいでしょう。
一方で、相手から「この櫛が欲しい」とリクエストされている場合や、縁起を気にしないことがわかっている相手であれば、必要以上に避ける必要はありません。
迷ったときは、相手が縁起を気にするか、今回の贈り物がどのような場面のものかを基準に判断するとよいでしょう。
平安時代の櫛と「別れの御櫛」

古くは、櫛が人との別れに関わる儀式で使われた例もあります。
平安時代には、斎王が都を離れる際、天皇が斎王の髪に黄楊(つげ)の櫛を挿す「別れの御櫛」と呼ばれる儀式がありました(出典:斎宮歴史博物館「斎宮Q&A」)。
現代のような一般的なプレゼントとは少し意味が異なりますが、櫛が身だしなみを整える道具としてだけでなく、人との別れや大切な節目に関わる特別な品として扱われていたことを感じさせるエピソードです。
江戸時代の櫛と髪飾り文化

江戸時代には、櫛や簪(かんざし)、笄(こうがい)などの髪飾りが、女性の装いを彩る品として使われていました。
使われる素材や装飾もさまざまで、櫛は髪を整える実用品であると同時に、身につけて楽しむ装飾品としての一面も持っていました。
江戸時代中期ごろには女性の結髪が広がり、木や象牙、鼈甲などさまざまな素材の櫛や髪飾りが使われ、蒔絵や彫刻を施したものも見られるようになりました。
こうした江戸時代の櫛は、国立文化財機構の収蔵品データベースでも確認できます(出典:ColBase(国立文化財機構)「鶏蒔絵櫛」)。
簪など髪飾りをプレゼントする意味

櫛とあわせて、簪(かんざし)など日本で古くから使われてきた髪飾りをプレゼントする意味も見てみましょう。
櫛や簪、笄(こうがい)は、髪を整えたり飾ったりするものとして日本で長く使われてきました。江戸時代の髪飾りには、鼈甲や銀などさまざまな素材が使われ、蒔絵や彫刻など美しい装飾が施されたものも残っています。
現代の一般的な贈り物としては、簪などの髪飾りに「ずっと一緒にいたい」といった共通の意味が決まっているわけではありません。
現代では、相手の好みやファッションに合うものを選び、「似合いそうだと思った」「身につけて楽しんでほしい」といった気持ちを込めて贈るほうが自然でしょう。
髪飾りは身につけるものだからこそ、相手の好みを思い浮かべながら選ぶ楽しさがあります。
伝統的な意匠の簪だけでなく、普段着にも合わせやすいシンプルな髪飾りもあるので、相手の服装や髪型に合わせて選んでみるのもよいでしょう。
櫛と同じように、昔から続く髪飾りの文化を少し楽しみながら、大切な人への贈り物として取り入れてみるのも素敵ですね。
男女・相手別で見る櫛のプレゼントの意味と選び方

櫛は、誰に贈るかによって選び方や気をつけたいポイントが少し変わります。
ここからは、家族やパートナーなど相手との関係に合わせて、櫛をプレゼントするときの選び方や気持ちの伝え方を見ていきます。
大切なのは、特別な意味を込めすぎることよりも、相手が使いやすく、気持ちよく受け取れるものを選ぶことです。
プレゼントする櫛を選ぶ際は、相手の髪の状態や使い方に合った「歯の間隔(ピッチ)」にも注目してみましょう。
細目・粗目によって使い勝手が変わるため、相手が普段どのように櫛を使うかを想像して選ぶとよいでしょう。
【櫛を選ぶときの目安】
・髪の絡まりをやさしくほどきたい方や、毛量が多い方:歯の間隔が広い粗目の櫛が使いやすいでしょう。
・前髪や毛流れをきれいに整えたい方:細目の櫛が向いています。
・濡れた髪に使う場合:濡れ髪に対応したコームの中から、髪を無理に引っ張りにくい粗目のものを選ぶとよいでしょう。
【つげ櫛の魅力とは?】
つげ櫛は、日本で古くから使われてきた木製の櫛です。
椿油などを使いながら手入れをして長く使えるものもあり、年月とともに色や風合いが変化していく楽しみがあります。
毎日使えるものを長く大切にしてほしいという気持ちを込めて、プレゼントに選ぶのもよいでしょう。
男性から女性へ櫛をプレゼントする意味

男性から女性へ櫛をプレゼントする場合も、必ずしも特別な恋愛の意味が決まっているわけではありません。
パートナーへの誕生日や記念日なら、毎日のヘアケアに使える実用品として、少し上質な櫛を選ぶのもよいでしょう。
「毎日の身支度を少し心地よくしてほしい」といった気持ちは、櫛の意味に頼るより、短いメッセージを添えたほうが自然に伝わります。
ただし、相手が「苦」「死」という語呂合わせを気にしそうな場合は、無理に櫛を選ばず、ほかのプレゼントを検討するのもひとつの方法です。
女性から男性へ櫛をプレゼントする意味

女性から男性へ櫛をプレゼントする場合も、決まった特別な意味があるわけではありません。
普段から髪を整える習慣がある男性や、身だしなみに気を配っている相手なら、実用的なプレゼントとして選びやすいでしょう。
持ち歩きやすいコンパクトな櫛や、シンプルなデザインのものなら、仕事や外出先でも使いやすくなります。
相手が縁起を気にするタイプかどうかも考えながら、「毎日使ってもらえそうか」を基準に選ぶとよいでしょう。
親から子へ櫛をプレゼントする意味

親から子へ櫛を贈るなら、進学や就職、一人暮らしなど、新しい生活が始まる節目のプレゼントとして選ぶことができます。
平安時代には、斎王が都を離れて伊勢へ向かう際に櫛を使う「別れの御櫛」という儀式があり、櫛が旅立ちの場面に関わった例もあります。
もちろん、これは現代の親子間のプレゼントと直接つながる風習ではありません。それでも、人生の節目に長く使える櫛を贈ることに、どこか特別な意味を感じる人もいるでしょう。
進学や就職で実家を離れるときなら、「新しい場所でも、自分のペースを大切にしてね」といった気持ちを添えて贈るのも素敵です。
また、髪の絡まりを梳かして整える櫛になぞらえて、「これからいろいろなことがあっても、一つずつ整えていけますように」と前向きな意味を楽しむこともできます。
少し縁起を取り入れながらも、櫛そのものに特別な力があると考える必要はありません。
長く使える櫛なら、日々の身支度の中で家族の気持ちを感じられる、暮らしに寄り添うプレゼントにもなるでしょう。
櫛以外にもある、贈るときに注意したい品物

贈り物には、櫛以外にも縁起や場面によって注意したい品物があります。いくつか比べてみましょう。
| 贈るときに注意したい品物 | 注意したい理由・連想されること | 贈るときに気をつけたい場面 |
|---|---|---|
| シクラメン | 名前から「死」「苦」を連想させることがあり、鉢植えの場合は「根付く」が「寝付く」に通じるとされるため。 | 病気やけがのお見舞いでは、縁起を気にする場合は避けるほうが無難。 |
| 菊(きく) | 白菊などは仏花や弔事を連想する人もいるため。 | お祝いでは、相手や場面によって色や品種に配慮すると安心。 |
| 椿(つばき) | 花が首から落ちるように散ることから、縁起を気にする場面では避けられることがあるため。 | 病気やけがのお見舞いでは、縁起を気にする場合は避けるほうが無難。 |
| 真っ赤な品物・花 | 赤色が火や火事を連想させることがあるため。 | 新築祝いでは火を連想させる赤い品物、開店祝いでは赤一色の花は避けるほうが無難。 |
このように比べてみると、日本の贈答マナーでは、言葉の響きだけでなく、花の散り方や色から連想されるイメージまで、さまざまな縁起が気にされてきたことがわかります。
櫛の「苦」「死」という語呂合わせも、こうした贈り物にまつわる考え方のひとつです。
一方で櫛は、絡まった髪を梳かして整える道具であることから、「物事を整える」「絡まりを解きほぐす」といった前向きな意味になぞらえて楽しむこともできます。
縁起をどこまで気にするかは人それぞれですが、よくない意味だけで判断せず、相手との関係や贈る場面に合わせて考えてみるとよいでしょう。
櫛のプレゼントは意味を知って相手に合わせて選ぼう
櫛は「苦」「死」を連想する語呂合わせから、贈る場面によっては縁起を気にされることがあります。
それでも、櫛そのものがプレゼントに向かないわけではありません。
友達や家族、パートナーなど、こうした語呂合わせを気にしない相手であれば、毎日のヘアケアに使える実用的なプレゼントとして選ぶことができます。
また、絡まった髪を梳かして整える道具であることから、「物事を整える」「絡まりを解きほぐす」といった前向きな意味になぞらえて楽しむのもよいでしょう。
ただし、お見舞いや縁起を大切にするお祝い、昔ながらの贈答マナーを気にする相手には、ほかの品物を選ぶほうが無難です。
櫛を贈るときは、語呂合わせや歴史的な背景だけで判断するのではなく、相手が喜んで使ってくれそうかを考えることがいちばん大切です。
「毎日の髪を整える時間に使ってね」「似合いそうだと思って選んだよ」など、選んだ理由をひと言添えると、櫛を選んだ気持ちも伝わりやすくなります。
縁起を少し楽しみながら、最後は相手の好みや使いやすさを基準に選んでみてください。


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